「新規化合物をただひたすらに作る」と云う試行錯誤の時代から、「分子設計の信頼度の向上によるプログラム化学」に重点を移らねばならない。 一方、生命現象に関わる分子の基本構造解明が国家の支援で大規模に進められつつある。これらの延長線上には、機能原子団の3次元配位を制御することによってもたらされる機能の利用、そしていずれは合成化学の上に生体機能に匹敵するような高機能分子システムが構築される時代が来ることを予測させる。 我々は、生体関連物質、及びそれらのモデル化合物について、水素結合システムの生成、変換を学び、それらの知見を利用してあたらしい高機能化学系の構築を図りたいと考えている。